キリのないほど奥の深い未開拓分野の仕事である。
身体的・心理的な介護はもちろん、
本人を含めた家族の生活自主のサポート、
これらの仕事は利用者の人生を丸ごと受け止め、
同じ目線に立って共に歩いて行こうとする
全人的な能力を要求される尊い仕事なのである。
ところが、一般的には介護は
老人や病人の身体的なお世話をする単純な労働と見られているようだ。
そこに介護する側とされる側の不幸があるのである。
介護する側はいつまでも仕事の価値が認められず給料が低いままであるし、
介護を受ける側は世話になるばかりでつねに遠慮し気兼ねをしており、
自分を存在価値のない厄介者と思いながら生きなければならないのである。
このような両者の不幸も、
「介護は究極のサービス業である」という認識が社会に広まれば
少しは解消するのではないかと思い、
このような文章を書いているのであるがどのようなものであろうか。